恋涙
三章
迷い
宮城での生活。
離れていても、毎日色んなことを考えた。
正直、自分の気持ちはまだよく分からない。
だけど、樹里が結稀に告白したときのあの焦燥感は何だったんだろう。
いくら考えても答えは出なかった。
今更「好き。」なんて言えない。
樹里に嘘をついたことになる。
二十歳を過ぎた今では「恋愛なんて自由だよ。」なんて言えるかもしれないけど、まだ小学生だった私には「友達を失う」辛さをどうしても考えてしまった。
どんなに考えても答えなんて出なくて、彼に電話をすることも、次の休みの計画を立てることも出来なかった。
今、こうやって振り返ると、この時間はすごくもったいなかったね。
私がもう少し強かったら、もっともっとこの期間にお互いの話しを聞けたよね。