恋涙
とうとう来てしまった。
何も答えが出せないまま。
いつもなら「着いたよ。」って電話をするけど、この時は茨城に行くことも言わなかった。
本当なら楽しい冬休みになるはずだった。
一つの想いがこんなに積み上げてきた関係を崩すとは思わなかった。
いつもとは違う私の様子に気付いたのはおじいちゃんだった。
「絢香、最近悩んでることでもあるのか?おじいちゃん絢香が笑ってないと心配だよ。」
その言葉に少しだけ泣きそうになった。
「おじいちゃん、おじいちゃんは初恋いつだった?」
おじいちゃんは「なんだ、なんだ。」と笑いながら聞いている。
「絢香好きな男の子でもいるのか?」
「ううん、よくわかんないの。」
おじいちゃんは私のその言葉を聞くと、急に立ち上がった。