恋涙
私の体は沢山の機械につながれていた。


管が何本も通っていて、鎖骨から点滴もされてる。




口には酸素マスク。そのおかげで絞り出す声はなかなか家族に届かない。



全身が痛い・・・。



人口呼吸装置をつけていたのか、口が切れていることも分かった。






すぐに看護婦さんが寄ってきて、私に声をかける。



「絢ちゃん?分かる?看護婦の広瀬です。」



顔を近づけて大きな声で話す看護婦さん。




力いっぱい私は頷いた。




そのうち執刀医が私の様子を見にきた。




「バイタルも安定してます。意識レベル・・・」



看護婦さんが私の様子を一生懸命報告してる。




私、生きてる・・・。



ちゃんと頑張れた。


沢山の人にありがとうを言いたい気持ちになった。



でも私は誰に支えられてきたんだっけ・・・?



思い出せない。







< 5 / 366 >

この作品をシェア

pagetop