恋涙
友情
私たちの恋はたくさんたくさん遠回りをした。
「好き」
ただそれだけのことなのに、お互いの存在が近すぎて気付かなかった。
こうして私たちはお互い一番大切な存在になったんだ。
泣き止んだ私は一つだけ気になっていることを結稀に話した。
「ねぇ、樹里のことはどうするの?」
結稀はじっと私の目を見てからまた頭をぽんぽん叩く。
「お前が心配することないけぇ。別に気にすることでもないだろ。それに俺、樹里に言ったけぇ。好きなやつがいるって。」
「え・・それで?」
「どうにもなっとらん。」
きっと樹里は色んなことに気付いてる。
少しだけ不安が押し寄せた。