恋涙
「何で分かるの?」
「だって樹里がフラれたって咲から聞いたし、結稀兄ちゃんが同じタイミングでお前に告白したことも知ってるよ。」
幼なじみの情報って怖いなってちょっと思った。
「で、絢香と樹里の友情に亀裂って話か?」
秋人は持っていた本を脇に置く。
「私、ずるいと思う。」
「何で?」
「だって、樹里には結稀のこと好きじゃないって言ったのに・・・。」
「ま、お前は鈍感だからな。お前が結稀兄ちゃんのことどう思ってるかなんて顔を見てれば分かるよ。」
そんな話をしていたときだった。
「おい、あれ!」
秋人が指をさす。
そこにいたのは樹里だった。