恋涙


「え!?何の音?」



イトコが私の手をつかむ。




「ここ二階だよ。窓の外に何かあるわけないよ。」




でも確かに聞こえた。窓に何かがぶつかるような音。






コンコン





「ほらぁ!ねぇ、絢香誰か呼んでこよう。」




「カーテン開けたほうが早いよ。」



と私が言うと、イトコは目を伏せる。





私はカーテンを少しだけ開けて片目で外を見た。





そこにいたのは結稀だった。
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