恋涙
「何もいない?」
そのイトコの声で我に返った。
「あー・・えーと・・・。」
「何なの?」
私の曖昧の返事にイトコは自分でカーテンを開けて外を見た。
「えっ・・・あぁ、結稀くんじゃない。」
イトコはニヤニヤして私を見る。
「こんな時間に・・・なに考えてるんだか。」
私はカーテンの隙間からまた結稀を見た。
「ねぇ、ちぃ姉ちゃん・・あの・・・。」
「行ってきなよ。黙っててあげるからさ。」
イトコのその言葉で私は結稀のところに向かった。