恋涙
記憶
意識を取り戻して二日後、私はICUから個室へと移った。
手術中、出血がひどく一度心停止があったこと、手術が終わって麻酔が切れてもなかなか意識が戻らなかったこと、自力での呼吸が弱かったことを担当医から聞いて自分でもゾッとした。
数日後には面会も可能になり、病室には必ず誰かがいた。
幸せだな、と思う瞬間。
だけど何かが足りない。
何かを思い出せない気がする。
そんなことを考えていた時、看護婦の月島さんが病室に入ってきた。
「絢ちゃん、これ預かってたお守り。」
そう言って私の手に鈴の付いた小さなお守りを置く。
「月島さん。」
月島さんは私の点滴を見ながら返事をする。
「何?」
「これ、私の?」
本当にそのお守りに見覚えがなかった。
手術中、出血がひどく一度心停止があったこと、手術が終わって麻酔が切れてもなかなか意識が戻らなかったこと、自力での呼吸が弱かったことを担当医から聞いて自分でもゾッとした。
数日後には面会も可能になり、病室には必ず誰かがいた。
幸せだな、と思う瞬間。
だけど何かが足りない。
何かを思い出せない気がする。
そんなことを考えていた時、看護婦の月島さんが病室に入ってきた。
「絢ちゃん、これ預かってたお守り。」
そう言って私の手に鈴の付いた小さなお守りを置く。
「月島さん。」
月島さんは私の点滴を見ながら返事をする。
「何?」
「これ、私の?」
本当にそのお守りに見覚えがなかった。