恋涙
小学校六年生になる春休み。
おじいちゃんはいつも通り茨城から迎えにきた。
いつもなら迎えにきて「すぐに行こう。」って言うのに、この時は違った。
宮城に何日間も滞在してた。
もう、一生宮城には来ることが出来ないかのように。
おじいちゃんは風邪ひとつひかない人だったのに、珍しくずっとマスクをしてた。
幼い私はおじいちゃんが風邪をこじらせただけだと思っていた。
だけど、おじいちゃんはきっと色んなことに気付いてたんだって今は思う。
おじいちゃんの異変に気付いたのは母だった。