恋涙
おじいちゃんはうちにいる間中、ずっとマスクをつけてた。
風邪で声が出ないって言ってずっと大好きな歌を歌ってなかったのに、うちに来てからは私や妹にちょっかいをかけてはずっと上機嫌で歌を歌っていた。
そろそろ茨城に帰ろうと話していた日の夜。
ふと、夜中に目が覚めて飲み物でも飲もうかとリビングに向かった。
もう夜も遅いというのに、リビングの明かりがついていて誰か起きているようだった。
そこではお母さんとおばぁちゃんが真剣な話をしていた。
そこで耳を疑った母の衝撃的な一言。
「おじいちゃん、ガンだと思うよ。」