恋涙
その言葉を聞いたとき、その場から動けないというよりもむしろ、「それ、本当?」ってすぐに声が出たくらい。
母は私が聞いてるとは思ってなかったから驚いていた。
まさかおじいちゃんがガン?
いつも元気で、明るくて、優しい私のおじいちゃんが?
幼心にショックだったことを覚えてる。
母の一言に、おばぁちゃんはすぐに茨城に帰ることを決めた。
もちろん私も連れて。
そして茨城に帰った次の日、おじいちゃんは入院することになった。
病名は咽頭ガンだった。