恋涙

その言葉を聞いたとき、その場から動けないというよりもむしろ、「それ、本当?」ってすぐに声が出たくらい。




母は私が聞いてるとは思ってなかったから驚いていた。






まさかおじいちゃんがガン?




いつも元気で、明るくて、優しい私のおじいちゃんが?




幼心にショックだったことを覚えてる。





母の一言に、おばぁちゃんはすぐに茨城に帰ることを決めた。




もちろん私も連れて。





そして茨城に帰った次の日、おじいちゃんは入院することになった。








病名は咽頭ガンだった。
< 64 / 366 >

この作品をシェア

pagetop