恋涙
結局春休みはずっと病院にいて、結稀と会う暇なんてほとんどなかった。
春休みも終盤にさしかかった頃、私は色んな不安に押しつぶされそうで、夕食を済ませてから公園に向かった。
考え事をするときはいつもその公園か、公園の前を流れている川の側。
夜も遅かったし、結稀の家に行くのも迷惑だと思って、一人公園で考え事をしていた。
「絢香!!」
前にもあったパターン。
考え事をしているといつも結稀は来る。
「どうしたの?」
冷めた口調で私が聞く。
「どうしたのはこっちのセリフだけぇ!・・・じいちゃんの様子どう?」
二人で会話をするのもこの時本当に久しぶりだった。