恋涙

結局春休みはずっと病院にいて、結稀と会う暇なんてほとんどなかった。



春休みも終盤にさしかかった頃、私は色んな不安に押しつぶされそうで、夕食を済ませてから公園に向かった。





考え事をするときはいつもその公園か、公園の前を流れている川の側。




夜も遅かったし、結稀の家に行くのも迷惑だと思って、一人公園で考え事をしていた。






「絢香!!」



前にもあったパターン。




考え事をしているといつも結稀は来る。




「どうしたの?」



冷めた口調で私が聞く。



「どうしたのはこっちのセリフだけぇ!・・・じいちゃんの様子どう?」




二人で会話をするのもこの時本当に久しぶりだった。
< 66 / 366 >

この作品をシェア

pagetop