恋涙
「おじいちゃん、いなくなるかもしれない。」


私は結稀の目も見ずに話し始めた。




「何で?」




「まだ入院してそんなに経ってないのにすごく痩せちゃって・・・この間は車で宮城まで来てくれたのに。」




初めて自分の不安を誰かに言ったと思った。




怖くて怖くて、大切な人がいなくなるかもしれないと考えるだけで涙が出るなんて思ってもみなかった。





「絢香のじいちゃんなら大丈夫だよ。絢香のじいちゃんだぞ。」




「それ、どんな理由よ。」




言ってることは簡単な言葉かもしれない。



それでも少しだけ気が楽になった。





「もしじいちゃんがいなくなっても、俺が何度だって笑わせるよ。じいちゃんには敵わないかもしれないけど。」




そう言って結稀は私を抱きしめた。



その中で私は静かに泣いた。
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