恋涙
2000年7月26日。
その日はピアノの発表会の前日だった。
発表会で弾く予定だった「カノン」を練習してる時、一本の電話が鳴った。
それはおじいちゃんが亡くなったという知らせの電話だった。
夏休みが始まったばかりの青空の日。
おじいちゃんが迎えにきてくれるはずだった夏休み。
発表会が終わったら、その足でおじいちゃんに会いに行こうと思っていた。
おじいちゃんに「頑張ったね。」って頭をなでてもらいたかった。
夏休みはおじいちゃんの側にずっといてあげるつもりだった。
おじいちゃんの笑顔をもっとしっかり見たかった。
最期の時を一緒に過ごしたかった。
母が職場から戻り、すぐに茨城に行くことになった。