恋涙
通夜には本当に大勢の参列者が訪れた。
それだけおじいちゃんの顔は広く、たくさんの人から信頼されていたんだと思う。
もちろん近所の結稀の両親も来た。
火葬も終わり、家ではたくさんの料理が並んだ。
母やおばさんたちは忙しそうに料理の準備をしている。
そんな中、結稀が私に向って手招きをした。
私は結稀の後を追って家の外に出た。
「どうしたの?」
やっと結稀に追いついて言葉をかけた。
「ちょっと公園行こうか。俺、人ごみ嫌いだからさ。」
その言葉の本当の意味、今ならわかるよ。
きっと、私のことを考えて私が安心して心の荷物を降ろせる場所を結稀は知ってたんだ。