恋涙
泣き止んで、少しだけ顔を上げた。
頭ひとつ分違う私たちの身長。
「いなくならないでね。一人にしないでね。」
「今までだってずっと一緒にいただろ。これからだって何も変わらないよ。」
「絶対?」
「お前が俺を好きでい続ける限りな。」
「危ないかもね。」
「おいおい。」
涙の陰からの笑顔。
いつだってそう。私が泣いてると笑わせてくれる、彼は太陽のような存在。
「帰ろう。」
差し出した結稀の手がすごく大きく見えた。
日が沈みかけた夕陽の下、私たちは手を繋いで帰った。
少しだけ、繋いだ手を大きく振りながら。