恋涙
二人
葬儀も無事に終わり、今年の夏は茨城に滞在することなく宮城に帰ろうかと思っていた。
だけど、おばぁちゃんが来年は中学生になって部活とかで忙しくなるからもう来れないだろうと言い、そのまま茨城に残ることになった。
やっぱりおばぁちゃんも寂しかったんだと思う。
おじいちゃんもおばぁちゃんもお互い好きになって、恋愛して、好きと言い合った日々があったんだもんね。
大好きな人を失うことがどれだけ辛いことなのか、今ならよく分かる。
おばぁちゃんのあの涙が本当にキレイに見えた。
おじいちゃんは天国で初恋の人に会えたのかな。
ちゃんと「好き」って言えたのかな。
それは分らないけど、きっとおじいちゃんは幸せだったと思う。
私の12歳の夏は、たくさんの涙から始まった。
そして、たくさんの愛を知った。