恋涙
お祭り
夕日が沈むオレンジ色の空の下、手を繋いでお祭り会場に向かった。
駅前でやる、町で一番大きなお祭り。
川沿いではアユのつかみどりとかもやってた。
金魚すくいとか、あとは二人とも好きだったのがじゃがバター。
お祭りに行ったはいいけど、二人とも人ごみが苦手だったからすぐに会場から離れていつもの川沿いに移動してかき氷とか食べた。
駅の隣にもう川があるんだ。
その川沿いにおじいちゃん家があって、公園もある。
二人で話すときは公園か、河原だった。
お祭りの最後は必ず打ち上げ花火が上がる。
それを見るために私たちは河原に座って待っていた。
あの日は本当に天気が良くて、月が川の水面に反射してすごく綺麗だったことを覚えてる。
静かに流れる川の音と、大好きな人が隣にいるその時間。
それが何よりも大切なもの。