恋涙
彼が夢だと言った小学校の先生。
もし、彼が生きていたら今頃先生になるために必死で勉強していたのかもしれない。
校庭でボール片手に、まわりには子供たちがいて・・・
そういうの、想像するとちょっと笑っちゃうんだけど。
最後の花火が上がった時は、少し時間が経ったらまたもう一度花火が上がるんじゃないかって思った。
最後だと分かっていても、心のどこかで期待してた。
12歳の夏。
大好きな人の死を受け入れなければならなかった夏。
その悲しみから救ってくれた、たった一人の大切な人。
私は今、彼の夢を背負っている。
最後の打ち上げ花火は一番大きくて、涙のようにきらきら降っていった。
初めて過ごす二人の夏は、お互いの存在の大切さを確認した夏だった。