恋涙
存在
電車で四時間。
初めての一人旅だった。
今でもこの日のことを忘れない。
この後、何度一人で電車から見える景色を見ただろう。
会いたくて、会いたくて、会いたくて、何度も一人で電車に乗った。
何度も、何度も同じ風景を見た。
茨城に着くと、おばぁちゃんやイトコたちが出迎えてくれた。
小学生の頃みたいに夏休み中いられるわけじゃなかったけど、それでもやっぱり嬉しかった。
だけど、すぐに結稀に会いにいくことは出来なかった。
会いに行って本気で拒まれるのが怖かった。
私と結稀は違う。
そう思うと会いに行けなかった。