恋涙
「・・いつ来たの?」
少しだけ声が穏やかになった。
「・・昨日。」
結稀は私をじっと見る。
「来ないと思った。」
私はずっと黙ってた。
そのうち悲しくなって、涙が出た。
それを見て結稀は少しだけ驚いたような顔をしてた。
「ごめんね・・・。」
自然と出た言葉。
「私が素直じゃないから・・。」
言葉を話せば話すほど、涙は多く出る。
結稀はポケットからハンカチを出して私の涙をふいた。
「ごめん。離れてる時間が多くなって、俺はいろいろ考えるのに、お前は連絡することも忘れるくらい俺を必要としてないのかなってちょっと思ったんだよ。」
「そんなわけないでしょ・・・。何年一緒にいると思ってるの。」
「ごめん。」
夕日に照らされながら、私たちは抱き合った。