恋涙
恋人
「嫌いにならないで。」
結稀の胸の中で彼を見上げながら言った。
結稀は切なそうな顔をして私を見おろす。
確かに私は愛情表現もまともに出来ない。
だけど、世界で一番結稀を必要としてる自信あったよ。
好きと言うには軽すぎるし、愛してると言うには照れ臭すぎる。
そんな存在。
そんな年頃。
ずっと一緒にはいられないけど、ずっと、ずっと一緒。
「嫌いになんかならないよ。今までも、これからも、ずっとずっと一緒だ。」
結稀は少しだけ微笑んで抱きしめていた私を離した。
そして私の顔を少しだけあげて、初めてキスをした。