転入生な彼女
愛しい人
*転入
“私立春花高校”
今日から、あたしが通う高校
私立だけあって、とても綺麗なところ
あたしは職員室へ行くために、門の中へと歩みを進めた
職員室の場所は、なんとなくわかる
2日前に一度挨拶にきたから
「たしかこっち・・・だったはず」
うろ覚えな職員室までの道のりを歩いていたら
どうしてだろう。行き止まった
「・・・ここ、ドコ?」
なんて、呟けば
「迷子?」
そんな声が、聞こえてきた
「ねぇ、大丈夫?」
声の聞こえてきた方を向けば、蜂蜜色がフワフワと風に揺れていた
「・・・おーい、大丈夫?」
一緒だ、音さんと同じ髪の色
あの人は染めていたけど、まったく傷んでいない彼の髪はきっと地だろう
「・・・」
あたしが黙って、彼の髪を見つめていると
「おい。俺が大丈夫かって聞いてんだろ?答えろよ。それとも何だ?俺に見惚れてんのか?」
・・・ありえない