転入生な彼女


「ここだ」


「ありがとうございました。ご迷惑おかけしました」


「全くだ。つーわけで、名前教えろ」



どういうわけだ。と、つい言ってしまいそうになるのを、なんとか抑えた



「・・・矢崎雅です」


「やさき みやび。うん、覚えた。俺は真中碧。よろしく、雅」



そう言って、差し出された手


できれば、よろしくなんてしたくないけれど



「こちらこそ、よろしくお願いします。真中さん」


「碧でいい」


「・・・は?」


「碧でいいっつってんだ。ありがたく思えよ。オラ、呼んでみろ。あ・おって」



何様なんだろう、この男は


・・・まぁ、とにかく



「よろしくお願いします、碧」



とびっきりの笑顔でそう言ってやった



「・・・笑えるんだな、お前」


「人間ですから」



笑顔くらいつくれますよ



「なんだ、それ」



そう言って笑った彼、碧


その後ろに、2日前にもあったホスト・・・否、担任の早見響先生



「よーお。王子様《プリンス》くん?何、イチャコラしてやがんだ?女が泣くぞ」


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