時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~




あまりの眩しさに、思わず目を瞑る。


最初は小さかった青い光もだんだん大きくなって、瞬く間に私の周りを光で包んだ。


眩しい光の世界で、少し目の慣れた私は、恐る恐る――そっと、目を開いた。



…青い光の中、小さな水色の光が集まってできた鳥のような形のものの群れが、キラキラと光の余韻を残して飛び去って行く。



鳥の群れがなくなると、上から鳥と同じように光の余韻を空中に残しながら、ゆっくりと下に降りてきた…、先ほどのビー玉。



落ちてきたビー玉が、受け止めようと手を出した私の指に触れたとき――



「あ…」



――青い光がだんだんと薄くなってきた。





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