時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~
「あー、っとね、えっと、近道があったの!」
「え?」
「何か、暑くてぼーっとしてたら道間違えちゃったみたいで。当てずっぽうに歩いてたら着いたんだよね! 馬鹿だけど、運良いよねー、アハハ」
…我ながら、苦しい言い訳である。
でも、これしか思いつかなかったのだから仕方がない。
「へ~、近道かぁ! 迷って当てずっぽうに来たってことは…覚えてないよね?」
「そーなんだよー、ごめんね」
「いいよ、全然! そっか、だから早く着いたんだね」