時を駆けた夏 ~また、君に恋をする~
「早く準備しないと、間に合わないわよ!」
…と、さっきまでどうでもいいことを考えていた私の頭の中は、お母さんの言葉で超・危険信号を点滅させた。
……ヤバいぞ…、今、何時だ…?
ゆっくりと振り返って、チラ、と横目で時計を見る――って、うわぁ!!
「は、8時10分!? あと20分しかないじゃん!! 何で起こしてくんなかったの!?」
「起こしたわよ! 十回くらい起こしても起きなかったからフライパン持ってきたのよ!」
慌ててベットから飛び降りお母さんに叫ぶと、逆に怒鳴り返されてしまった。
お母さんの小言を無視して素早く制服に着替えると、鞄と荷物をつかみ部屋を出る。