卯月くんと私と彼。
プロローグ
『私には好きな人がいます。その彼は私のとなりの席です。毎日緊張して話すことが出来ません。どうしたらいいでしょうか…?』
カタカタカタ……
「出来…た」
私、海山羅希(ウミヤマ ラキ)。
片思い中の中学三年。
片思いの相手は、卯月圭(ウヅキ ケイ)君。
卯月君は女子から人気がある。
誰がみても見とれてしまいそうな綺麗な二重の目に、シュッとした男らしい輪郭。
極めつけは、長身でスタイルが良いこと。
その完璧な容姿をした彼を女子がほっとくわけがない。
……でもみんなは何も知らないんだ……。
普段は大人しい一匹狼タイプの卯月君だけど、たまに授業中こっそり寝てたり、運動も勉強も完璧なのに、虫が大嫌いなところだったり……。
私は誰よりも卯月君を知っているんだ。