「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
愛と、向かい合わせで座る俺。


風太がいなくなってから、愛は

「ありがと」

と微笑んだ。


「何が」

「何でも」

「…そう」

「一々、千里はうるさいのっ。ありがと、どーいたしましてでいいでしょ」

「…いや、礼を言われる様な事は…」

「ほらーまた」


そう言いながら、また愛はケタケタと笑った。


運ばれてきたランチに声を上げながら、愛はそれを口に運んでいた。
俺も一緒に口にする。
美味しかったし、さすがだと思った。

こんなホテルのバイキング。
美味しくないわけない。


その後も、愛は色々話しながらランチを堪能した。

その場から去る時、風太はもういなかった。
愛は少し、後ろを向き風太を探しているようだったけどすぐに俺の元へ来て、また笑う。



「部屋へ行こうか」

「ああ」


これじゃあ。
風太と、愛の関係なんてすぐにわかってしまう。


お互い、好きなんだろうな。
と、嫌でも推測してしまう。
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