「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
今日は、シンプルな黒の無地Tシャツに薄い色のジーンズ。
どっちも愛がプレゼントしてくれたものだ。

ブランドのモノで、Tシャツなのに一万もする。
デニムも十万はするだろう。


だけど、私の隣で歩くならそのぐらいでないと嫌だと言う愛だから…仕方がない。


その辺で大量生産されてる、1000円もしないTシャツでも俺は構わないのだけれど。


俺が準備を終えた頃に、愛が風呂からあがって来た。
女の支度は何かと時間がかかるのを俺は知ってる。

だから、何も言わずテレビをつけてベッドに腰かけた。


「さー、顔作るか」

「……」

「何か言ってよ」

「だって、間違ってねえだろ」

「もー千里って、正直」


ケラケラ笑いながら、愛は着替えるとメイク道具をカバンから出して化粧を始めた。
慣れた手つきで色々、顔に塗っている。

20分ほどして、化粧も終わり、お次は髪の毛に取りかかった。
洋服は昨日のまま…のわけもなく。

きちんと、着替えを用意してるあたり、今日は出かける気満々だったと思う。
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