「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
その日、昼間っから何度も何度も美沙都を抱いた。
美沙都も、何度も俺を求めた。
吐き出しては、吐き出しては。
心を苦しめていたように思う。
そんな事しか、俺はこの仕事で出来なかった。
美沙都はこの後予定があるからと、タクシーの代金だけ俺に握らせると早々に帰宅して行った。
さっきまで、あんなに乱れて、激しかったのに。
ホテルを出た時にはぴしぃっとスーツに身を包んで、バッチシメイクをしている。
それを見て。
女ってのは、ON、OFFが本当にうまいと思った。
俺はずっと、抜け出せずにいる。
絶望から。
くしゃっと万札を握り締めると、俺はポケットに突っ込む。
タクシーを捕まえようとも思ったけど、少し風に当たりたい気分だった。
このホテルからは駅前を通らないと、寮には帰る事が出来ない。
だから、駅前まで歩いてそこでタクシーを拾おうと思った。
ぼんやりと、景色を眺めながら俺は足を前へと出す。
少し、肌寒くなって来た季節。
中途半端な季節は嫌いだ。
外に出ない理由がなくなる。
寒ければ、寒いと言える。
暑ければ、暑いと言える。
だけど、過ごしやすい季節は、何も言えない。
ただ、体を交えるだけではダメになる。
それが酷く、面倒に思えて仕方ない。
美沙都も、何度も俺を求めた。
吐き出しては、吐き出しては。
心を苦しめていたように思う。
そんな事しか、俺はこの仕事で出来なかった。
美沙都はこの後予定があるからと、タクシーの代金だけ俺に握らせると早々に帰宅して行った。
さっきまで、あんなに乱れて、激しかったのに。
ホテルを出た時にはぴしぃっとスーツに身を包んで、バッチシメイクをしている。
それを見て。
女ってのは、ON、OFFが本当にうまいと思った。
俺はずっと、抜け出せずにいる。
絶望から。
くしゃっと万札を握り締めると、俺はポケットに突っ込む。
タクシーを捕まえようとも思ったけど、少し風に当たりたい気分だった。
このホテルからは駅前を通らないと、寮には帰る事が出来ない。
だから、駅前まで歩いてそこでタクシーを拾おうと思った。
ぼんやりと、景色を眺めながら俺は足を前へと出す。
少し、肌寒くなって来た季節。
中途半端な季節は嫌いだ。
外に出ない理由がなくなる。
寒ければ、寒いと言える。
暑ければ、暑いと言える。
だけど、過ごしやすい季節は、何も言えない。
ただ、体を交えるだけではダメになる。
それが酷く、面倒に思えて仕方ない。