「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
今、俺の感じてる気持ちの名前がなんなのか。
わからなかった。
憤りなのか、嫉妬なのか。
悲しいのか、悔しいのか。
何なんだろう。
複雑な気持ちだったのは間違いない。
伊織が悪いわけではない。
ただ、俺に魅力がなかっただけだ。
ぐるぐると、様々な気持ちが浮かんでは消えて。
やはり、最後には自分が悪いんだと思えた。
というよりも。
その方が、全てが楽だったというか。
自分の所為にして、責めてしまえば。
苦しくなかったんだ。
そうすれば俺が悪いのか、と諦められるから。