「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

俺と。
彼女が出会ったのは。


三年前の夏だった。


俺はまだ14だった。
それは誕生日の前日。


母子家庭の俺の家は、裕福でなく我慢する事はたくさんだった。
友達が新しいゲーム機を買ってもらっているのを見ては、自分の家に劣等感を感じていた。

どうして、母親は離婚したのだろう。
そう、考えても仕方のない事だったけど考えない日はなかった。


もう、顔も覚えていない父親の事を恋しいと思う事もあった。
だけど、働きっぱなしの母親の大変さを俺はよくわかっていなかったんだ。


それが、俺を養う為だと言う事すらわかっていなくて。


募らせた不満を爆発させたのが…、誕生日の前日だった。


反抗期も相まってか、俺は帰宅した母親に罵声を浴びせると家を飛び出した。
きっと、欲しいモノを買ってもらえない苛立ちだったと思う。
俺がどうしてそんなに怒ったのか、もう覚えていない。


きっと、思い出せないぐらいクダラナイことだったんだろう。