「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「14って事は中学生でしょ?
何が欲しいんだろう」

「…ちょっと」


勝手に首を捻らせて考えてるくるみに俺は声をかけた。
くるみは目だけ、俺へ向ける。


「別にいらないから」


くるみは身を乗り出しそうなぐらいに、前へと出ると

「そんなわけにはいかないでしょ」

そう俺に言った。


「誕生日なんて、なければいいんだって」

「何で?」

「俺、別に必要とされてないし」

「………」


初めて、俺の言葉にくるみが黙った。
悲痛そうな顔で俺を見る。


「どうして、そう思うの?」

「…なんとなく」

「そんな事ないよ?
親ってのは、子供を大事に思ってるもんだよ」


それは。
くるみの親はそう思ってるかもしれねえ。

だけど、うちは違う。
だから、一緒にしないで欲しかった。


「……はは、知らねえのに勝手な事言うなって」

「ここまで育ててくれたのは、誰?」

「は」

「見放さずに、ずっと育ててくれたんでしょ?
それって愛情がないと…出来ないと思うな」

「………」
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