「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
それから俺とくるみはファミレスに長い事いた。
辺りが明るくなった頃に帰ろうかとくるみが提案したから俺も頷く。
会計の時にくるみは何も言わず俺の分も支払いをしてくれて、外へと出た。
先に歩くくるみに、戸惑いながらも声をかける。
「あ。…ごちそうさま」
くるみはくるっと振り返ると、目を真ん丸にしてからニコっと笑った。
「どーいたしまして」
また前を向くと、くるみはヒールをカツカツと鳴らしながら歩く。
それに俺は黙って着いて行く。
「あ、千里」
そうやって、くるみがまた振り向いたのはファミレスを出て暫く歩いてからだった。
「………」
「また会おうよ」
「………」
「…イヤ?」
「…別に」
俺の、精一杯の“会いたい”。
「ふふ、そっか。じゃあ、また会おうね?」
くるみは財布から何かを出すと、俺の手に握らせた。
それを見ると、名刺みたいだった。
「……」
「携帯番号書いてるから、そこに電話ちょうだい。
千里が教えてくれるならそれでもいいんだけど」
それに俺はふるふると首を振る。
俺は整然とした名刺の文字列を見ながらぼそっと呟いた。
「…かける」
それだけ、言うとくるみはまた嬉しそうに微笑んだ。
辺りが明るくなった頃に帰ろうかとくるみが提案したから俺も頷く。
会計の時にくるみは何も言わず俺の分も支払いをしてくれて、外へと出た。
先に歩くくるみに、戸惑いながらも声をかける。
「あ。…ごちそうさま」
くるみはくるっと振り返ると、目を真ん丸にしてからニコっと笑った。
「どーいたしまして」
また前を向くと、くるみはヒールをカツカツと鳴らしながら歩く。
それに俺は黙って着いて行く。
「あ、千里」
そうやって、くるみがまた振り向いたのはファミレスを出て暫く歩いてからだった。
「………」
「また会おうよ」
「………」
「…イヤ?」
「…別に」
俺の、精一杯の“会いたい”。
「ふふ、そっか。じゃあ、また会おうね?」
くるみは財布から何かを出すと、俺の手に握らせた。
それを見ると、名刺みたいだった。
「……」
「携帯番号書いてるから、そこに電話ちょうだい。
千里が教えてくれるならそれでもいいんだけど」
それに俺はふるふると首を振る。
俺は整然とした名刺の文字列を見ながらぼそっと呟いた。
「…かける」
それだけ、言うとくるみはまた嬉しそうに微笑んだ。