「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
リビングから不自然に伸びる足を見つけた。
寝室は…ここじゃない。
ましてや、リビングで寝てしまう様な母親ではない。


俺は心臓がバクバクしながらも、そこへ近付く。
ゆっくりと、その体全体が見えてくる。


母親は真っ青な顔をして、そこに倒れていた。


「お、おふくろ!?」


慌てて、俺は母親の横にしゃがみ込む。
揺らすが、意識はない。

すぐに自宅から救急車へ電話をかけた。
動揺でうまく救急隊員に話せたか、わからない。


それから、5分ほどで救急車が自宅に到着した。
あっという間だった様な気がする。

一緒に、車に乗って俺はただひたすら母親の顔を見つめた。


病院に到着して、母親はすぐ処置室に入った。
俺は外の椅子で待ってるだけ。


手と手を合わせて、俺は額にそれをつける。

ただ…ただ、無事を祈った。
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