「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「うん」

「もーー久々じゃん!!
待ってた!待ちくたびれた!もうかかって来ないと思った!」


くるみは早口でそう捲し立てる。
なんなんだ、本当にこの女は。
いつまでもどこまでも騒々しい。


「ね、ね。今日、暇?夜ご飯行かない?
あ、でも、お母さんご飯作ってるか。
じゃあ、日曜とかは?」


俺が何も言わないのに、勝手に納得しては話を進めている。


「今日、平気だけど」

「え!まじで」

「おふくろ、仕事でいないし」

「一人で毎日ご飯食べてるの?」

「ああ、まあ」

「…じゃあ、私が暇な時は絶対ご飯食べよう?」

「は」

「ね、決まり!じゃあ、仕事多分6時には終わるからまた連絡して」

「…わかった」

「じゃあ、またね。あ、そだ。電話ありがと」


そう言って、くるみはまた勝手に決めて一方的に電話を切った。


「……はあ」

思わず、そう溜め息が漏れる。
だけど。


自然と口角が上がっている事に、俺は気付いていなかった。
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