「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
壁にかけられた時計を見ると、時刻は午後4時を差している。
まだ時間はある。

…だからと言ってする事はない。


携帯を所持してない俺。
外へ行っても、くるみに連絡する事が出来ない。

公衆電話からかけたらいいか。


そう思った俺は外出する準備をした。
まあ準備と言っても、財布を持って少し洋服を着替えただけだけど。

それと、忘れない様に名刺をポケットに突っ込むと鍵を持って部屋を出た。


どうせ、くるみの事だから駅前で待ち合わせになるだろう。
じゃあ、駅前のデパートで時間を潰すのが一番いい。

スタスタと駅前まで俺は真っ直ぐ向かう。

母親は仕事で、いつも帰宅は22時近い。
朝から晩まで働き過ぎなんだって言ったけど、俺を食わせる為だから仕方ない。



俺が高校行かないと言った時の、母親の悲しそうな顔は今でも忘れられない。

更に、その後の「ごめんね」はもっと忘れられなかった。
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