「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
歩きながら空をふっと、見上げる。
真っ白な入道雲が、爽やかなブルーとマッチしていて、とても綺麗だった。

淀んで見えていた世界も。
どうしてだろう。


明るい光が差し込んでいる様に思えてくる。


それがくるみのお陰だったって事に俺は気付かなかった。


駅前で適当に時間を潰した俺は、公衆電話を見つけて6時過ぎにくるみに電話をかける。
それにすぐに出たくるみ。


「もしもし」

「俺、千里」

「あああやっぱり、千里か。公衆だったからびっくりしたよ。
無事に終わったから、今から行くね。
千里、どこいる?」

「駅前」

「本当?じゃあ、急いで向かう」

「わかった、こないだ会ったとこにいる」

「了解!」


受話器を置いた後、BOXから出て俺は初めてくるみと会った場所へ行く。
そこに、前と同じ様に座った。

くるみとはどうしてだろう。
一度しか会ってないのに、そんな気がしない。


あの日。

くるみが何故俺に声をかけたのかはわからない。
ただ、気になっただけなのかもしれない。
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