「愛」　-レンタル彼氏-【完結】
この、容姿の所為で。
俺は女に騙されて来たから。


初めて好きになった女の子は、同級生の笑窪が似合う子だった。
密かに思っていた彼女に告白されたのは、中学入って二学期の事。


放課後、呼び出されて好きだと告白された。
俺も好きだったし、断る理由なんてない。

初めての彼女。
初めて好きになった女の子。


毎日、一緒に帰って電話して、休みの日は二人で出掛けて。
彼女の笑顔を見て、それで俺も笑って。
幸せってこういう事を言うんだって、本当に思ったんだ。


付き合って、半年ほどしたぐらいだった。
周りからも公認のカップルで、冷やかされたりしたけど、それはそれで嬉しかった。


二年に進級して、クラスが分かれてしまった俺と彼女。
だけど、俺は関係なしに彼女と帰る為に毎日クラスに訪れた。

それが、いつからか、段々と断られる様になって行き。
最初は友達と帰るからって言葉を信じていたし、新しいクラスで色々あるんだなって思った。


でも、目撃してしまったんだ。


彼女と、仲良さげに歩く男の姿を。


信じ切っていた俺の心はズタズタにされた。
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