「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「千里」

「……」

「笑っちゃうね」

「……?」


くるみの言ってる意味が理解出来ず、首を傾げる。
そんな俺を見て、くるみは口角を上げた。


「こんな年下なのに。
まだ、幼いのに。
千里が頭から離れない」

「………」

「……私、千里が好きみたい」

「え」


びっくりして目を見開きながらくるみを見る。
だけど、くるみはさっきと変わらない笑顔で俺を見ていた。


「千里が信じてくれるかはわかんないけどね」


そう言ってから、くるみは自嘲気味に笑った。
それから、今度は真面目な顔になってその通った声で。


「千里が好き」


手には頬には。
くるみの温もり。


「千里が…好き」


自然と鼓動が速くなる。
久々に感じる感情。


「……くるみ」
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