「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
誰もいない通りを歩く、俺とくるみ。
帰ろうかってなったけど、くるみを一人で帰らせるのは心配だったから。
だから、送っている途中。
…二人のその手はしっかりと繋がれていて。
さっきまでこの距離が遠く感じていたのに。
今はこんなにも近い。
まさか、くるみが俺の事を好きだと思ってくれていたなんて思わなかった。
“千里が好き”
それはまるで魔法みたいで。
俺の心の内側にいとも簡単に沁み込んで来て。
伸ばした手の先にある温もりを、“愛しい”と感じた。
そうして、この感情が“好き”だと言う事に気付いた。
「千里」
「ん?」
「彼氏なんだよね」
「そうだな」
「私の彼氏なんだよね」
「……そうだよ」
何度も確認する様に聞く、くるみにふっと笑いかける。
「俺がこんな感情持ったの、久々なんだから…信じろよ」
まだ不安そうに俺を見上げるくるみは、二十歳にはとてもじゃないが見えない。
きゅうっと、握る手を強めてくるみはぎこちなく微笑んだ。
帰ろうかってなったけど、くるみを一人で帰らせるのは心配だったから。
だから、送っている途中。
…二人のその手はしっかりと繋がれていて。
さっきまでこの距離が遠く感じていたのに。
今はこんなにも近い。
まさか、くるみが俺の事を好きだと思ってくれていたなんて思わなかった。
“千里が好き”
それはまるで魔法みたいで。
俺の心の内側にいとも簡単に沁み込んで来て。
伸ばした手の先にある温もりを、“愛しい”と感じた。
そうして、この感情が“好き”だと言う事に気付いた。
「千里」
「ん?」
「彼氏なんだよね」
「そうだな」
「私の彼氏なんだよね」
「……そうだよ」
何度も確認する様に聞く、くるみにふっと笑いかける。
「俺がこんな感情持ったの、久々なんだから…信じろよ」
まだ不安そうに俺を見上げるくるみは、二十歳にはとてもじゃないが見えない。
きゅうっと、握る手を強めてくるみはぎこちなく微笑んだ。