「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「じゃあ、頑張っちゃうかな。何がいい?」

「何でもいい」

「それ、一番困るんだよ」


クスクス笑うくるみは、腕に絡めていた手を滑らせ俺の手に自分の手を収めた。
小さいその手を、俺は何も言わず包み込む。



そんな些細なやり取りが嬉しかったのに。


幸せとは簡単に壊れていく。



こうも、儚く脆いモノだと。

誰が教えてくれたのだろう。

< 167 / 302 >

この作品をシェア

pagetop