「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
それはいつだっただろうか。

俺とくるみが交際を始めて、一年と半年が経った頃ぐらいだっただろうか。
俺は中学を卒業して、工場へ就職をした。

15の俺でも雇ってくれるとあり、職種など気にせず面接に向かったのを覚えている。
受かってからはずっと、そこで働いていた。


母親は相変わらず、仕事をしていたけど…。
負担が少しでも減ればいいと思って働いていた。

給料日。
大した金額を稼いだわけではないが、そのほぼ全てを母親に渡した。

俺は就職して新規で契約した携帯の代金と、くるみとのデート費用があればいいと思っていたから。

贅沢をしたいと思わない。
母親が倒れたあの日に、誓ってからそれは今も破っていない。



くるみとは携帯を持ってから毎日、欠かさず連絡を取り合っていた。


仕事が終わると、必ずメールを送ってくる。
それが日課になってなっていた俺は、くるみの仕事が終わる時間になると携帯を所持していた。


普段は然程稼働してない携帯なんて、持ってても意味ないと思い、そこら辺に放っておいているから。
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