「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「………り、き?」
そこには、横たわっている吏紀がいた。
「おい!」
俺はしゃがみ込むと、吏紀の体を揺らす。すると。
「く、くくく。ははは」
急に吏紀が笑い出した。
それにたじろぎながら、吏紀を凝視した。
「ダレ~?
あはは。ウケるーーっ、何で裸なのーー!
ぎゃはは」
「…は?何を言ってるの、吏紀。
俺は裸じゃねえし」
「えーーー」
「千里だ、大丈夫か、吏紀!吏紀!」
体を起こして、顔をぺしぺしとする。
その手をがしっと吏紀が凄い力で掴む。
「腹…減った」
そのまま俺の手を口に入れて、思い切り噛みつく。
「痛ぇっ!!!」
まだしっかりと噛みついている吏紀の顔を反対の手で殴る。
その反動でやっと解放されて、噛みつかれた箇所を見ると、くっきりと歯型がついていた。
余りにも噛む力が強くて、ところどころ、血が滲んでいる。