「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「…いお、り。伊織…たすけ…」
「伊織?」
「いお…」
「吏紀?おい!伊織がどうしたんだよ!」
口を開くのを待っていると、後ろで声がする。
「あっちです」
佐々木の声のすぐ後に足音。
一人二人じゃない。
スーツを着た男数名が俺達を囲む。
「…何だ?」
俺の言葉を聞いてるのか、聞いてないのか急に吏紀を掴みあげた。
それに目を真ん丸にした。
「おい!どこ連れてくんだよ!!」
叫ぶ俺の言葉を無視して男達はエレベーターへと向かっていく。
「待てよ!!吏紀、病院連れて行かないとだろーが!!」
吏紀を担ぎあげてる男の肩を掴む。
すぐに隣にいた男が俺の腕を掴んで、
「こいつは処分命令が出た」
一言、そう言った。