「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
なんか、腑に落ちない。
だけど、説明だけなら一時間もしねえだろ。

ぽっちゃりした男の後についていく。
更に上の階に社長はいるようだった。

エレベーターに乗り込んで、降りて、部屋へと向かう。
だだっ広いこの廊下が不気味だ。
誰もいないのか、シンとしているのも更に不気味さを増す。


「ここです、どうぞ」


先頭にいた男は突き当たりにあった部屋の扉の鍵を開けると、皆を中に入れる。
社長の部屋なのだろうか。

シャワールーム、トイレなど、見た所普通のマンションの様にも見えた。
更に奥のリビングへと進む。
そこに西園寺はいた。


その部屋は西園寺にぴったりの真っ黒な部屋。
今は昼なのに、人工的な光が部屋を照らす。
真っ黒の遮光カーテンが、外の光を完全に遮っていた。

でかいソファには髪の毛をくるくるに巻いた女と、綺麗な顔をした男が座っている。

……こいつも同僚なのか?
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