「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
どいつもこいつも、どうしてこう、顔が整っているんだ。
女を相手にするからわかるけど、あまりにも整いすぎている見た目。

ソファに座っている男は、幼くも、年上にも見える。


西園寺は椅子からぎぃっと音を立てながら立ち上がる。
そして、目の前の机に手を置いた。


「伊織、君も四人の隣に立って」


ソファに座る男は伊織と言うらしく、社長の言葉に返事をすると俺達の横に並んだ。
それを確認すると、西園寺は俺達を鋭い目つきで見た。


「……今日から君達にはレンタル彼氏をやってもらう」


……なん、だって?

皆が呟くように言う。

「……レンタル彼氏?」


何だ、それ。
レンタル彼氏?
ホストじゃねえの?


西園寺はそんな俺達を気にかける事なく、続ける。


「ああ、そうだ。
金額は月二千万」

「はあっ?!」

それにでかい声を出したのが吏紀だった。
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