「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
「なんか、嬉しいけど嬉しくないな」
「愛が必要って事だ」
「…私に千里が必要な様に、か」
「そうだな」
「……似てないのに、私達なんか似てるよね」
「似てるか?」
「うん、似てる」
「……わかんねえな」
「だろうね」
愉しそうに愛はクスクスと笑う。
その笑いが居心地良くて、俺は何も言わずに外の景色に目を向けた。
帰宅してから、俺と愛は白井さんの料理を温め直すと一緒に食事をした。
あまり家で誰かと手料理食べるなんて事、なかったから。
母親も昔から仕事で家にいなかったし。
いつも一人で食べてたから。
何故か、料理を食べ終わった後。
胸が苦しくなった。