「愛」 -レンタル彼氏-【完結】
どこか行こうかとも思ったけど、結局部屋でだらだらしてたら一日が過ぎてしまっていた。

愛海へは返事をしていない。


大事な話なのだろうか。
でも、何があるんだろうか。


愛海と出会ったのは、どこだったけ。
会ったその日に関係を持ったのだけは覚えてる。

どこかのクラブだっただろうか。


そう、色々考えていると携帯が鳴った。

相手は愛海。


無言で震える携帯を持ちながら、俺はディスプレイを見つめる。


「………」


数回コールさせてから、俺は静かに通話ボタンを押した。


「…はい」

「あ。千里?」

「そうだけど、何?」

「メール見なかった?」

「ああ、見た」

「…そう、今から家に行っても大丈夫?」

「…これから?」


これからって何時だよ、今。
夜中だろ。


壁にかかってる時計に目をやると、22時を過ぎた所だ。
さすがにその時間に女一人は気が引けるだろうが。
< 228 / 302 >

この作品をシェア

pagetop